【開催レポート】SFTレガシーアクションミートアップ ~愛知・名古屋2026大会を契機に描く、スポーツと地域の未来~


スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアム事務局(以下、「SFTC事務局」)は、2025年11月10日(月)、自治体・大学・企業・NPO・スポーツ団体・学生など多様な主体が愛知県名古屋市に集い、「愛知・名古屋2026大会を起点としたスポーツを通じた国際交流や社会課題解決」をテーマに対話を重ねる「SFTレガシーアクションミートアップ~愛知・名古屋2026大会を契機に描く、スポーツと地域の未来~」を開催しました。

本イベントは、2025年7月に名古屋で開催された「東京2020大会レガシー継承セッション」や関係自治体・団体との対話を踏まえた“次のアクション”として位置づけられたものです。

当日は、自治体・スポーツ団体・企業・大学・NPO/NGO・学生など合計50名・30団体が参加し、立場や世代を超えた対話を通じて、「大会をきっかけに地域で何ができるか」を多角的に考える場となりました。


 

■ 第1部『愛知・名古屋2026大会に関連する情報提供セッション』

第1部では、SFTC事務局より、本ミートアップの趣旨説明とあわせて、スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)がこれまで国内外で進めてきたスポーツを通じた国際交流・協力の取組や、愛知・名古屋2026大会に向けたこれまでの連携の流れ、今後の方向性について説明を行いました。本ミートアップが単発のイベントではなく、継続的な連携や対話の一環であることが示されました。

続いて愛知県からは、愛知・名古屋2026大会開催の意義や背景に加え、大会を契機とした地域活性化ビジョン、市町村と連携した具体的な推進施策(アジア・フレンドシップ推進事業、パラアスリート学校訪問事業、既存施設の活用など)が紹介されました。

これらの情報提供を通じて、「大会を通じて地域にどのような価値や変化を残していくのか」という視点が参加者間で共有され、第2部のワークショップに向けた共通認識の土台が形成されました。

日本スポーツ振興センター 総合企画部
連携企画課 課長 /SFTC事務局
阿部 篤志

愛知県 アジア・アジアパラ競技大会推進局
計画推進課 担当課長
髙橋 直美 氏


 

■ 第2部(前半):『未来共創ワークショップ 愛知・名古屋2026大会を契機とした国際交流や社会課題解決の取組を考える』

第2部前半では、「愛知・名古屋2026大会を契機に、どのような未来を描き、地域にどのような変化を生み出せるか」をテーマに、対話と共創によるワークショップを実施しました。

本ワークショップは、ワークショップ・デザイナーである蛭田香名子氏・余吾由太氏がファシリテーターを務め、自治体・大学・企業・NPO・学生・スポーツ団体など、立場や専門性の異なる参加者が混ざり合う形で8グループを編成。「階層フリーな対話」「感じたことを大切にする」「プロセスを楽しむ」という共通ルールのもとで進められました。

はじめに、参加者一人ひとりが自身を表すキーワード(Myタグ)を用いて自己紹介を行い、関心や背景を共有し、グループ内の関係性を築きました。
続いて、「レガシーとは何か」「愛知・名古屋2026大会がもたらす“非日常のエネルギー”とは何か」を言葉にしながら、大会が地域にもたらし得る機会を「人・モノ・コト」の視点で整理しました。

その後、外国人住民の増加、インバウンドの回復、健康・スポーツをめぐる社会的動向などを踏まえ、地域に存在する具体的な「お困りごと」を設定。
それらに対し、大会のエネルギーをどのように活用すれば、日常に変化のきっかけを生み出せるかを考え、グループごとに企画案を検討しました。

ワークの中では、

・世界共通のスポーツや遊び(鬼ごっこ等)を活用した多文化交流イベント
・ウォーキングを軸にした運動習慣づくりと地域参加の促進
・盆踊りなど地域文化とスポーツを掛け合わせた国際交流の場づくり
・在住外国人との日常的な接点を生む施設・まちの使い方の工夫

など、大会を「一過性のイベント」で終わらせず、地域の日常につなげる視点を持った具体的なアイデアが多数生まれました。

最後には、各グループのアイデアを全体で共有し、共感度を可視化する投票を実施。
議論を通じて、外国人交流・多世代参加・地域文化の活用といった共通テーマが自然に浮かび上がり、共感を集めた3つの企画が代表案として発表されました。

ワークショップで検討された代表的なアイデア例

第二部ワークショップの様子


 

■ 第2部(後半):協力団体による制度・取組に関する情報共有

第2部後半では、本イベントの協力団体である愛知県、名古屋市、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会(以下、「AINAGOC」)より、大会関連施策や地域で活用できる支援制度に関する実務的な情報提供が行われました。

大会を契機とした国際交流の推進施策、市民・団体によるレガシー創出を後押しする助成制度、公認文化プログラムなど、実際に地域で活用可能な具体的な制度が紹介され、参加者にとって「次の一歩」を検討するための実務的な手がかりとなりました。

【参考情報・関連リンク】

・愛知県:愛知・名古屋2026大会を契機とした大会関連施策
アジア・フレンドシップ推進事業費補助金
MOVE ON 2026

・名古屋市:NAGOYAビジョン・レガシー創出活動助成金
https://www.city.nagoya.jp/kankou/sports/1014101/1034473/1014120.html

・AINAGOC:Aichi-Nagoya 2026 公認文化プログラム
https://www.aichi-nagoya2026.org/cultural/

大会関連施策・支援制度の紹介の様子(左:愛知県、中央:名古屋市、右:AINAGOC)


 

■ 第3部:実践事例の紹介・ネットワーキング

第三部では、すでに地域で実践が進んでいる団体として、一般社団法人JUNTOS(豊田市)、音吉ブレイブ(南知多町・美浜町)の2団体が登壇し、それぞれ「スポーツ大会を通じたユニバーサルツーリズムや多文化共生の推進」や「スポーツ鬼ごっこを通じた多文化・多世代交流の推進」などの取組や今後の展望が紹介されました。

最後に、中京大学・來田享子副学長/教授より、本ミートアップが多様な主体をつなぎ、新たな地域の動きを生み出す場として大きな意義を持つことが総括として語られました。

その後のネットワーキングでは、参加者同士が名刺交換や意見交換を行い、ワークショップで生まれたアイデアを起点に、具体的な連携や次のアクションにつながる対話が続きました。

 

実践事例の紹介の様子(左:JUNTOS、右:音吉ブレイブ)


 

■ 参加者の声(一部抜粋)

・「スポーツを通じた事業に関わる方々の想いや熱量が伝わり、大きな刺激を受けました」
・「世界共通のスポーツや遊び(鬼ごっこなど)は、言語の壁を越えやすく、交流が広がる可能性を感じました」
・「名古屋市内にすでに住んでいる多様な外国人の方々と、文化を通じてつながるという発想が参考になりました」
・「盆踊りや地域文化とスポーツを掛け合わせることで、参加のハードルを下げられるのではと感じました」
・「自治体、大学、NPO、企業、学生が同じテーブルで話す機会は貴重でした」
・「ワークショップ後の対話で、具体的に連携できそうなイメージまで話が進みました」


 

■ 今後に向けて

今回のミートアップを通じて、愛知・名古屋2026大会を起点とした国際交流や地域レガシーに関する多様な視点や関係性の“芽”が共有されました。

SFTC事務局では、こうした芽を一過性の取り組みで終わらせることなく、地域で生まれつつあるアイデアや協働の可能性を実行フェーズへと着実につなげていくことを目指しています。

また、自治体や関係団体と連携し、今回の場で生まれたつながりやアイデアを実際の取り組みへ発展させるとともに、学生の視点から地域や大会の取り組みを発信する「SFTユースメディアプログラム」についても準備を進めています。本プログラムは、学生が「ユース・レポーター」として主体的に地域の活動や人々の思いを取材・発信することを通じて、地域社会への理解を深めるとともに、キャリア形成や新たな学び・ネットワークの構築につなげることを目的としています。

今後も、自治体・大学・民間団体などと対話と連携を重ねながら、愛知・名古屋2026大会を契機としたレガシー形成を、国内外のネットワークの中で発展させてまいります。

【SFTへの関わり方】

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【参考】SFTユースメディアプログラム説明会のご案内

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本説明会では、「SFTユースメディアプログラム」の目的や活動内容、スケジュール、参加方法などについて、事務局よりご説明いたします。
プログラムに少しでも興味をお持ちの方、応募を検討している方は、ぜひお気軽にご参加ください。

▼ 開催スケジュール(予定)
第1回:2025年12月27日(土)11:00~12:00(オンライン開催)
第2回:2026年1月14日(水)19:30~20:30(オンライン開催)

※いずれの回も同内容です。ご都合の良い回をお選びください。
※プログラムの応募締切は 2026年1月31日(土)17:00 です。

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