ドイツと目指すパラスポーツを通じた共生社会の推進
【概要】
昨年度に引き続き、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて、今年度もドイツのコトブス市、エスリンゲン市との国際交流をさらに深め、産学官の協力体制をベースに、ドイツ視察を通じて学んだ共生社会実現への取組やそこからの学びを還元・共有するための、国籍、老若男女問わず、健常者、障害者、誰もが参加できるスポーツイベントを企画、実施した。
【事業目的】
「東京2020大会」においてドイツの車いすフェンシングチームの事前キャンプを受入れた田川市では、そのレガシーとしてスポーツを通じた共生社会の推進に取り組んできており、今年度もスポーツを通じた共生社会の推進に向け、ドイツ視察に続き、車いすテニスコーチング合宿、パラスポーツ体験及び講習会の企画、実施し、スポーツ通じて健常者や外国人、障がい者などの相互理解を深め、共生社会の推進に大きく貢献するため、誰もが参加できるスポーツイベントの企画・運営を実施した。
【活動・事業内容】
<ドイツ派遣>
日時:令和5年10月8日(土)から10月15 日(日)
行程:コトブス市スポーツセンター視察、スポーツアカデミー訪問、コトブス市立中高一貫校訪問(障害者教育)、コトブス市役所訪問、エストリンゲン市長面会、スポーツパーク視察
<車いすテニスのリモートコーチング合宿>
日時:令和5年12月16日(土)、17 日(日)
会場:田川市総合体育館・市内合宿施設
参加者:29名(うち障がい者15名を含む)参加者の中には、県外9名(宮城県、青森県各3名・その他県外3名を含む)
講師:リモート講師(うち一人は車いすテニス南アフリカ代表コーチ)・コーチ10名(スタッフは19名で運営)
内容:車いすテニス南アフリカ代表コーチによるリモートコーチング、初心者向けの車いすテニスレッスン、英会話教室などを含む1泊2日の合宿
<ドイツ団来日、講習会の実施>
日時:令和6年2月7日(水)~ 9日(金)
行事:県副知事、市長への表敬訪問、施設見学、企業訪問、中学校訪問、講演会の実施(「コトブス市の共生社会の取組」対象者:県、田川市および関連団体職員等)、高齢者スポーツ見学
来訪者3名:コトブス市長、スポーツ局長、国際交流担当および同行通訳
<パラスポーツ体験会>
日時:令和6年2月17日(土)10:00から12:00
会場:田川市総合体育館(大アリーナ)
体験した競技:ボッチャ・卓球バレー・フライングディスク
参加者:67名(参加団体:田川市の小中高生とその保護者、田川市内に勤務するALT3名、外国籍一般市民3名を含む)
【成果】
〇 受託者である田川市スポーツ協会は、田川市長・同市職員とコトブス市ならびにエスリンゲン市を視察し、バリアフリー化を重点にした施設見学、スポーツ協会関係者との意見交換など共生社会に取り組む環境を学ぶ機会を得、共生社会実現に向けた田川市の課題や改善点を整理でき、帰国後、市・スポーツ協会合同で報告会・研修会を実施し、合計50名程度と情報を共有できた。
〇 ドイツ視察、ドイツ団来日の成果を踏まえて、田川市の体育施設で頻繁に障害者のスポーツをする取組が始まった。
〇 スポーツ団体や市スポーツ部局や福祉部局、街づくり部局等を対象とした報告会・勉強会を実施して、ドイツ視察で得た知見を広く共有するとともに次年度以降の事業検討に役立てた。
〇 「体験会を通して障害に対する理解や気持ちの変化があった」、「車いすに座りながらでも楽しくスポーツができた」等、アンケート結果から、田川市民の障害に対する意識や認識の変化に寄与した。
【参考URL】
https://www.facebook.com/sport4tomorrow/videos/1061194895079175/
車いすテニスリモートコーチング合宿参加者とその保護者
参加者からのコメント :
〇 同じ境遇の仲間がいることや障害のある子でもスポーツができるという気づきがあり、貴重な経験となった。(昨年に引き続き参加した児童の保護者) 〇 ナショナルコーチの指導を受けることによりモチベーションが上がった、世界を目標とすることができた。(参加した競技上級者)
- 実施期間
- 令和5年10月~令和6年2月
- 実施エリア
- 福岡県田川市 (日本) コトブス・エスリンゲン市(ドイツ)
- スポーツ種目/プログラム種別
- 車いすテニス、ボッチャ、卓球、バレーボール、フライングディスク
- 実施組織
- 特定非営利活動法人田川市スポーツ協会
- 協同組織
- 田川市、田川市商工会議所、九州車いすテニス協会、ドイツ・エスリンゲン市及びコトブス市、在シュトゥットガルト日本国名誉領事事務所
- 支援対象者数
- 〇 ドイツ派遣 直接裨益者: 37名 〇車いすテニスリモートコーチング合宿 直接裨益者: 68名 〇 ドイツ団来日・報告会 直接裨益者:75名 〇 パラスポーツ体験会 直接裨益者:84名 〇 報告会及びワークショップ 直接裨益者: 51名