ウズベキスタン共和国における「スポーツを通じた障害者の社会参加の促進」(2023)
【概要】
ウズベキスタンの現在の障害者数は92万5千人であり、その人口比は約2.6%である。この数値はWHOの推計である人口比約15%を大きく下回っているが、同国における障害者認定制度上の課題もあり、実際はこの数値よりも多くの障害者がおり、その多くが外出等に課題を抱えている。
本事業では、ウズベキスタンの関連省庁、障害者団体、スポーツ統括団体、体育スポーツ大学と連携して、日本のインクルーシブスポーツ等を活用し、障害者・児に対して地域でスポーツをする機会を創出することを目的として、現地ニーズの把握、事業企画、テキストの作成、用具の供与、講習会の実施を通じてそのノウハウを移転した。
【事業目的】
スポーツを通じた障害者の社会参加の促進のため、日本のインクルーシブスポーツ等を活用し、障害者・児が地域で車いすを利用するスポーツを導入できるための機会を創出し、そのノウハウを移転する。
【活動・事業内容】
第1回:令和6年1月19日(金)~1月24日(水)
第2回:令和6年2月5日(月)~2月8日(木)
<第1回>
研修①パラスポーツ、インクルーシブスポーツ(ルール理解)
研修②車いす(操作スキル、介助スキル、指導法及び車いすスポーツ導入法)
研修③インクルーシブスポーツ(指導法)
<第2回>
研修①車いす(分解、整備及び修理)
研修②車いす(フォローアップ)
【成果】
〇 研修参加者がここで得た知識やスキルをそれぞれの所属に持ち帰り、地域や職場、学校現場において自らが講師となって自立的に広めようとする機運を醸成できた。
〇 今後、将来にわたりこの国で指導者となってインクルーシブスポーツの普及に努める人たちの活動をフォローするため、実施団体と大学との間でMoUを締結し、将来にわたる協力関係の礎を築いた。
〇「この国では、障害者教育、さらにインクルーシブ教育は進んでいない」(実施団体代表者橋本氏)ことがこのプロジェクトのきっかけとなっているが、当初、多くの障害者が参加に消極的な姿勢を見せていた中で、インクルーシブスポーツに参加することで次第に打ち解けていくなどポジティブな行動変容姿を体感できたこと、また、その感動を広げようという機運を醸成できたこと。
〇 今回の研修を契機として、ウズベキスタンの障害者にとって、社会参加の手段としてだけではなく、インクルーシブスポーツを通じて「楽しむ」、またはインクルーシブスポーツに「挑む」、インクルーシブスポーツを通じて人々と「交流する」というSFTが目指すステージに進化していく可能性が芽生えたこと。
【参考URL】
https://www.facebook.com/share/v/QotuzraPhRF9UueA/
HP:http://www.coil.or.jp/about-en/
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ウズベキスタンパラリンピック協会幹部
現地関係者からのコメント :
このトレーニングで学んだことを活かして、これからウズベキスタンで開催される大会で車いすを修理できる人材を一人でも多く輩出していきたい。同協会としては日本との指導者の交流を積極的に進めたいし、当面、2026年に開催予定のユースパラの大会で、車いすアスリートをサポートする施設の運営等を通じて大会運営をサポートしてもらいたい。