“ASEAN-Japan Actions on Sports: Gender Equality”

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© Seijo Gakuen.

【概要】
2017年に日本政府とASEANとの間で、第1回日ASEANスポーツ大臣会合が実施され、「女性スポーツ実施率の向上」が、優先分野の一つとして位置づけられた。さらに、第3回日ASEAN女性スポーツ会合では、スポーツ庁からASEAN諸国に対する日本政府の今後5年間の取り組みが共有され、スポーツ分野のジェンダー平等を共に推進することが、ASEAN10か国との間で確認された。
本事業は、2023年から2026年の4年間の戦略的な事業計画に基づき実施されており、本年度は、ア)ASEAN10か国スポーツ政策立案者がジェンダーの構造的不平等についての理解を深める、イ)10か国中3か国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)で、女児と女性のスポーツ参加を促す要因が明らかになっている、ウ)2026年までの事業計画を見据えた事務局の体制や関係団体との連携強化などの基盤を整備、の3点を今年度のプロジェクトゴールとして取り組んだ。
具体的には、「政策立案者向けワークショップ」、「女児及び女性がその地域でスポーツに参加する意義やそのために必要となる取り組みについての調査」を実施した。また、情報発信の基盤としてウェブサイトを構築。また記者会見や国際会議への出席を通して 2017 年から続く日本政府と東南アジア諸国連合 (以下、ASEAN)とのスポーツを通じたジェンダー平等プロジェクトについて発信した。

【事業目的】
4年間のプロジェクトゴールとして、ASEAN各国の政府機関関係者が、自国のスポーツにおけるジェンダー平等の達成のために、様々な事業の具体化ができる状態となることを目指す。
本年度(1年目)は、ア)ASEAN10か国スポーツ政策立案者がジェンダーの構造的不平等についての理解を深める、イ)10か国中3か国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)で、女児と女性のスポーツ参加を促す要因が明らかになっている、ウ)2026年までの事業計画を見据えた事務局の体制や関係団体との連携強化などの基盤を整備、の3点を今年度のプロジェクトゴールとして取り組んだ。

【活動・成果】

① 政策立案者向けワークショップ

〇 実施時期:2024年1月10日(水)~1月11日(木)

〇 開催場所:ベトナム・ハノイ

〇 参加者:ASEAN 8か国から政府関係者 1 名、NOC 関係者 1 名の計 2 名、マレーシア及びインドネシアからは各3名、ASEAN 事務局から 2 名、共催国であるベトナムからはオブザーバーとして 8 名、合計 34 名が参加した。

〇 内容:議長国であるベトナム政府を共同主催者として、ベトナムのハノイにて研修を実施した。スポーツ政策立案者がジェンダー課題を構造的に理解し、ジェンダー主流化の視点をどのようにスポーツ政策に取り入れることができるのかを各国が検討することを目的とした。2 日間の研修を通じて、ジェンダー問題を構造的にとらえる視点を得るとともに、UN Women の Sport for Generation Equality Framework を活用して、各国のスポーツ政策立案者がジェンダー主流化の視点を取り入れて、スポーツ政策の中にどのようにジェンダーの視点を取り入れるのか検討し、ワークシートにまとめて提出した。

〇 成果:
▶ 各国政府がジェンダー主流化の視点を持ち、UN WomenのSport for Genderation Equality Frameworkの原則にそって、各国のスポーツ政策を分析し、次のアクション案を特定した。
▶ 各国のアンケートは多くの回答を集めることができなかったが、性暴力やメディア表象、フレームワークなど、ジェンダーの課題を包括的に捉えて、組織として取り組む必要性などに学びを感じている参加者が多く見られた。
▶ ジェンダー課題は構造化された社会や組織の仕組みの中に組み込まれており、そこには男女の権力格差から生じる問題が多々ある。性暴力やメディア表象、UN Womenのフレームワークを通じて構造的にジェンダー課題を説明することによって、女性個人の問題ではなく、組織や社会が変化する必要性があることが共有さた。
▶ 各国がUN Womenのフレームワークを用いて、それぞれの現状をプレゼンしたこと、そして、次のアクションをフレームワークに基づいて検討したことで、包摂的なアプローチになり、構造的にジェンダー課題を捉え、組織や文化を変化させていく取り組みを引き出すことができた。

〇 参考URL:
▶ ワークショップ報告書
日本語:https://www.seijo.ac.jp/news/jtmo42000001er08.html
英語:https://www.seijo.ac.jp/news/jtmo42000001erda.html

▶ その他
https://www.facebook.com/share/v/qhwUp3wigdTCGmDa/
https://www.facebook.com/sport4tomorrow/videos/681250637520571

② 調査事業

〇 概要:女性がスポーツに参加することにどのような意義があるのか、そして女児や女の子のスポーツ参加を阻害する要因は何かをインドネシア、ベトナム、フィリピンの3か国を対象に明らかにすることを目的とした。

〇 調査対象国:インドネシア、フィリピン、ベトナム

〇 実施時期:2023年11月~2024年2月
▶ インドネシア:2023年11月26日(日)~11月29日(水)
▶ ベトナム:2024年1月16日(火)~1月18日(木)
▶ フィリピン;2024年1月25日(木)~1月29日(月)

〇 調査対象者:調査対象者を①政府関係者、②国内オリンピック委員会・国内競技団体、③女性支援や女性のスポーツ参画に取り組む現地 NGO④スポーツ系大学に通う/専門とする女性学生に定めて実施した。インドネシアについては、政府の希望により①政府関係者を除いて実施した。

〇 調査方法:フォーカスグループディスカッションを用いた質的研究調査を中心に実施。1 か国 5-6 組のフォーカスグループインタビューを英語または日本語と現地語の通訳を介して実施した。

〇 成果:
▶ インドネシア、ベトナム、フィリピンの文化的社会的背景を踏まえた、その地域の女性と女の子がスポーツをする意義が明らかとなり、各国毎にまとめることができた。
▶ 女性と女児の分析を分けることがデータを収集するときに困難であったため、女性と女児の状況はまとめてデータを収集し、分析の時に女児に関する項目に注意を払いまとめた。

〇 参考URL:

▶インドネシア調査報告
▶ベトナム調査報告
▶フィリピン調査報告


③ 基盤形成・周知

〇 内容:本事業での取り組みや成果を周知するためのプラットフォームを整えるために、事業専用ウェブサイトやSNSを整備。また、国内外への情報発信にも力を入れた。国内への情報発信には、SGE の設立及び本事業の記者会見にて本事業の全体概要や意義に ついて説明を行い、後日アーカイブとして SGE の Youtube に当日の様子を公開した。国外発信については、包括協定を結ぶ、Global Observatory for Gender Equality & Spot (GO) は UNESCO の Fit for Life のジェンダー領域のアドバイザーも務めており、2023 年 11 月 27 日、28 日に GO が主催でパリの UNESCO 本部で開催された「High-level Meeting of the Global Observatory for Gender Equality」に SGE が招待され、特別客員研究員である山口理恵子氏が出席し、スポーツにおける ジェンダー平等とスポーツを通じたジェンダー平等に関して、本事業を通じて得た東南アジアの実情や東アジアの実情などの知見を発信した。

〇 URL:
▶ 記者会見における本事業の発信(国内周知)
https://www.seijo.ac.jp/news/jtmo42000001cjsu.html

▶ UNESCO で実施された GO 主催の会議の報告書(国際周知)
日本語:https://www.seijo.ac.jp/news/jtmo42000001eqab.html
英語: https://www.seijo.ac.jp/news/jtmo42000001eqnl.html

【参考URL】

【インタビュー・成城大学(前編)】「もう我慢しなくてもいい!」ASEANの女性のスポーツ参加促進を目指したジェンダー平等事業を開始
【インタビュー・成城大学(後編)】ASEAN諸国が一堂に会するワークショップ ~各国が目指すジェンダー平等を取り入れたスポーツ政策の立案とは~

 


 

HP:ASEAN-Japan Actions on Sports Gender Equality (seijo.ac.jp)

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Instagram:seijo.sge.center

Youtube Channel:https://youtube.com/@sge.seijo.centre?si=KUpP-t4KIPjnf7to

 

実施期間
2023年10月~2024年2月
実施エリア
インドネシア、ベトナム、フィリピン
実施組織
学校法人成城学園(成城大学スポーツとジェンダー平等国際研究センター;SGE)
協同組織
ASEAN事務局, ASEAN加盟国 (インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス), Global Observatory for Gender and Sport(GO)
支援対象者数
① 政策立案者向けワークショップ:ASEAN Secretariat and 10 ASEAN countries: 34名・日本人参加者: 4名 (大学スタッフ) ②調査事業:インドネシア: 82名、ベトナム: 81名、フィリピン: 164名
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